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[119145] 灰の子の詩 2

詩人:色彩

彼は不完全な焔を気取るが

唇の腫瘍で呆気なく死ぬ

唇の腫瘍で呆気なく死ぬ

間抜けな死に方だと誰かが言った

ホラ吹き野郎だと誰かが言った

冷ややかに寒いその場所で

彼の妻は泣いたのか

確かに炎は全能では無い

確かに焔は全能では無い

彼は神秘主義の中に身を隠した

この世界はゴミ溜め

人の体は冷たく汚れている

しかし

美しいモノはやはり美しく独立して存在していた

この世界で

全ての汚れや憎しみを受け入れて尚も美しいのだ

深海が未だ未知の領域の様に

渦巻く宇宙の謎に魅力されるかの様に

灰の子

彼は夢を見た

不思議な和音達が浮遊する不思議な夢

何かを生み出す時 人は自分の想像力に驚く

生み出した本人にさえ何故それが美しいのか理解出来ない

彼の体はそれとは対象的に汚れていて醜く人間そのものだったからだ

彼は全てを恐れ神秘主義に身を隠した

間もなく

彼は唇に出来た腫瘍で呆気なく死んだ

ご近所は影口を表にして噂している

妻は「恐らく」泣いている

その頃

彼の精神はもはや肉体を離れ

彼の神秘的主義の様にぼんやりぼんやり

遙か上空の大気と混ざっていた

物質は真実だけを突きつけ全てが曖昧に染まってゆく

物質だけが真実だとゆうのであれば全てが曖昧に染まってゆく


2008/01/16 (Wed)
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