詩人:亜子
青い空にふくらむ雲波たつ草を影がとおりすぎる時牛はそれはひょいと吸い込んで白黒ぶち模様に飾られるまるで気にとめず蝿をしっぽでふり払い草をなめあげて風へと忠実に乗り込んでいく草原は素直でやわらかいそのむこうに空を突き刺して意味をこじあけた鉄塔群の針山無言の電波は聞いてほしいと夢中でとんでいく鮮やかに愛すものを知っていながらけれど僕はあの鉄の砦からそれらばかりを眺めてく