詩人:夜深
明日も世界は
群れをつくって かたまりにかたまって溜まって
群れて枯れていく気なの?
明日の世界は
群れをくぐって たったひとりで
生きてく自信はないの?
ひとりが怖いよ嫌だよって
いっつも君は言うけれど
そんなこと言ったって 起きるときも眠るときも
息をしても歩いても泣いていたってひとりじゃないか
どれだけ周りにたくさんの
赤 青 黄色の群れがあってもさ
たった ひとりぼっちの孤独
嚙み締めていかなきゃ この世界を生きていけやしない
遠くで偉い人たちが愛だの恋だの語ってるけど
愛ってもんはそんなに尊くって遠いもの?
あたしは
もうちょっと近くに愛はあると思うんだ 信じてるんだ
たとえこの部屋でひとり 息をひそめてても
また明日になれば外に出て 君たちと言葉交わすよ
だから
ひとりぼっち、だなんてあたしはあんまり信じない
そう思うことによって
明るい日であるはずの明日が暗やみに葬られたら困るから
…と、
そういうわけで 明日の群れたちよ
どうかどうか あたしの話聞いてよ
ひとりで頑張って疲労感溜め込んで
それを吐き出す残酷な群れの君たちよ
言葉を亡き骸に 恋を亡き骸に
しないでおくれよ どうかどうか
ひとりで頑張ってついに力尽きた日には
夕日をゆっくりと眺めて流れ星に祈るといいよ
静かな風がその身と涙をきっと沈めてくれるから
幼い頃のあたしが
明日の群れを描いてた
現在のあたしは 明日の群れを見つめてる
明日の群れはどこへ行くの
世界中の空を飛んで きっと愚かに青春(あおはる)を
すごしていくのでしょう