詩人:リコ
黒いボタンは
黒い画面を生み
残骸データは
罪悪の味
腐りかけのスープ
自ら飲む様に
ここからまだ
這い這いすら
出来ず私
何度も
何度も
かきむしった髪の毛を
優しく撫でたのは
貴方の手のひら
それだけで
罵倒と共に
その手を祓って
走り出した真夜中
しょっぱかったなら
苦いのなら
まだ良かった
ハテナマークの
無味がぐるぐる
ドクロマークなら
まだ良かった
あの輪の中にいる
一名の女子の様に
振る舞えたなら
繰り返す
叫び声ばかり
トンネルの向こうに
走り出し
残された私
地べたを殴って
弱者を纏い
贅沢な絶望が
過去へ過去へと
穴の中へ
祓いのけた
手のひらだけが
優しかった
無味の夜
その手だけが
頷ける
甘味を含んだ
優しさだった
立ち上がる
理由となる
私にとっての
全てだった