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詩人:ふぉれすと
“虚構”に満ちた空間で
いったい何を望むのか
目の前にある課題には
何かを生み出す力はない
ノートに綴った無意味な文字を
喰い入るように見つめる者
シャーペンさえも放棄して
毎日眠りに落ちる者
苦しむ者は何者なのか
総てを捧げた力は何か
それは確かに“能力”であって
同時に再び“虚構”に還る
“価値”はいらない“意味”が欲しい
“目的”はいらない“真理”が欲しい
だがそれは欲望であり
総てが再び“虚構”に還る
己が力を求める事も
存在意義を求める事も
愛すべき者を求める事でさえ
総てが“虚構”へ帰り逝く
それでも我らは“虚構”を求める
たとえそれが虚構であっても…