詩人:是清。
僕の船は今凡庸な波に揺られています
普通の暮らしがあるのです
喜びを表し此の場所に祝福を
残酷に僕を揺さぶっていた波は今僕の中にたゆたっています
全部飲み込む口があることに漸く気付いたのです
僕の中で卑屈にぎらついていた感情、すべては
温かい溶液に溶かされ融かされ僕の体を巡り
何処にあるか判別出来ない肉にいつしか成っていました
不完全さ、揺らぐ不完全さに安心したのです
僕の船は未だ洋洋とした広い海に寝かされ
時に揺す振られ時に安らぎ
時に振り落とされ時に昇り
下っては昇っています
僕の船は未だ安心出来ぬ船、
心地好い暮らし、普通の暮らしと
戦いの毎日を併設する浮上する船。