詩人:甘味亭 真朱麻呂
数えきれないくらいの悲しみの中で
喜びは悲しいくらい数少ないけれど
その光をとらえきれずに闇に佇む
この世界はおまえが思ってるよりも
腐りきっているんだ
何ひとつ叶わず終わる夢みたいに
さびしい気持ち抱えただ岸を目指す
灰色の空の下名前すら知らない
そんな世界へ足を踏み入れる勇気はあるか?
何故人は生きそして涙する
悲しみが通り過ぎた頃には
どうしてこんなに何もなかったみたいに笑える?
誰ひとり救えやしないさ
答はすぐそこまで見えているというのに
雨は止まずに悲しみもはれないまま
夢みる時は季節と共に通り過ぎてゆく
終わりを悲しむように
始まりに喜ぶように
また季節は移りゆくけど…
まだ心の準備もないままに
僕はまた一つまた大人になる
大人になる
大人になる
腐りきった大人社会に汚されて
大人になる
大人になる
大人になる……。