詩人:快感じゃがー
それは突然のことで
本当に、突然のことで
天気予報を無視した
通り雨が降って、
傘のない私は
ただ、濡れるばかり。
心は浸水したよ
溺れるには充分だった
ぼんやりとした世界の中
あんなに鮮明だった君は、
違う誰かのものになっちゃった
どんどん、どんどん
遠ざかってった
やがて雨があがって、
すべての夢を
排水溝に流したなら
私の躰は元通り
だけど、涙だけは
ちっとも乾かないままで
きっと
死ぬまで、ずーっと
乾かないままなの。
鈍い痛みと鉄の味
何故だろう
不思議なくらい
私、君が好きだった
想いがふやけても
こんなに傷ついていても
何故なの
まだ、君に恋してる
私の水面には、いつも君が映る
ずーっとずっと
君が、いる