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[157565] 宝物

詩人:どるとる


手先は不器用で
話をするのも得意じゃない
友達はいないし
趣味もこれといってないし
夢も知識もないのに
君は僕の何を好きになって 今 隣にいるのだろう
いつも考えてる
不思議がりながら
なにもない空っぽの僕なのに
この痩せぎすのからだに 何を見てるんだろう
いつだって僕には君が大切で 君だけが僕の宝物で
大げさな話をするなら 君がいなくなったら僕は生きてゆけないほどだよ

ふと気づいたら
君を見失いそうで
不安になってしまった 人ごみの中
君の小さくてあたたかい手が僕の手を握って導いてくれたとき僕の中で答えともいえるあるひとつの確信が生まれたよ
それが 愛というものなのかはわからないけど とても輝いてるから 大切にしなきゃね
枯らさないように育ててゆくよ
毎日 水じゃなくて愛を注いでね

僕は君のなんなんだろう?
その疑問は今じゃ
すっかり愚問になってしまったね
だって君はまぎれもなく僕がこの世界で誰より愛してる
この世界でただひとりの人だから愛しているのはあたりまえなことさ

それ以外に答えはないんだ
言葉なんかへたくそでも
『僕は君を愛してる』
それだけ言えるならあとは簡単だよ

永遠という終わらない時間の中で君を愛し続ければいいだけ

記憶の中に消えない
名前を刻むよ
今日も明日も何年何十年先でも僕の隣にあるひとつだけの指定席に座ることゆるされた君の名前を

そして今日も
夕日が落ちたら
不器用な僕は
たどたどしい
口調で愛を語る
それを君が本気で聞いてくれる
たとえばそんなことなんだよ愛なんて
どんなくだらない話でもいちばんおもしろい話に変わる
愛し合う二人にだけわかる 世界さ

だからね 僕は君の
そして 君は僕の
世界でたったひとりの光り輝く宝物。

2010/06/26 (Sat)
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