詩人:トケルネコ
目を上げてごらん
星を聞いてごらん
夜を開いてごらん
蝶々結びした三日月 私、千切った
真夏の黒曜石をキラキラ尖らせて
アナタをそっと見つめていた
どうして?と 美しいケイヨウ紙に
破れた詩ばかり なぞってみた
密やかに死ぬものだと思っていた
胸の痛みも、フクラハギの緊張も
重い砂埃縫い付けて走った
あの青空の校庭と一緒に
いつだって経験値の無さを言い訳に
臆病な指が腫れるまで下書く事
アナタは笑っていた 私、それでも嬉しくて
瑞々しい花弁だって 落ちるのは一瞬と
醜い三面記事に 汚されない詩ばかり探していたから…
目を閉じてごらん
星を嗅いでごらん
そのまま、脱ぎ捨ててごらん 木漏れ陽の日々へ