詩人:どるとる
ふらりと雨が降ってきて
アスファルトを濡らす土曜日に
風邪を牽いた彼女は部屋の中で
お粥を食いながら
僕の話に耳をかたむける
さっき買ってきた
バニラ味のアイスが溶けてしまうまでくだらない話題で笑いあうのさ
大切なものはいつも
こんなにも 肌が触れ合うくらい
近くにあるのにね
打ち明けられない
毎日を生きてる
僕は乙女のような
恥じらいを胸に抱いて
薄紅色に頬 染める
今日も ふたりは微妙な関係だ
君がお粥を食べ終わって少ししたら
雨も上がったようで
君も具合がよくなってきたようでなんだか 今なら言える気がしたよ
なんてね
言いながら
雨に思いを流す土曜日
ふらり雨が心を濡らす
今も乾かない 胸のうち。