詩人:アル
「目が見えなくなる
かも知れない」と
つい弱音吐いたら
「その時は
オンブすればいい」とか
ワケわからん事を言う。
「断る。
きみに
オンブしてもらったら
山に捨てられそうだから」
と答えたら
「違う、
あたしをオンブするの」と
ぬかしやがる。
思わず笑ってもた。
なるほど!
きみがぼくの目になり
ぼくはきみの足になれる。
きみ、アタマいいな?
「右っ!違う、違う。
1時の方向!」
「お前、それ
右斜め前て言うんだよ!」
「じゃ、それで」
「今頃遅いんだよ
もっと早く言えよっ!」
「ミギナナメマエ!」
「誰が早口で言えって
言った?」
パチン!
「痛っ!
なんでオレ
デコピンされんの?」
こんな風に
ケンカになるのは
目に見えている。
やっぱオンブはいいや。