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詩人:チェシャ猫
誰が求めればそれは訪れる
世界が求めたその瞬間から
新たな痛みは生まれて堕ちていくのに・・・。
手にしたものに人は満足できず
両手を広げて神に祈る
自分が持っているものには気づかずに
誰かを妬んで手を伸ばす
ねえ 終わりの無い世界に生まれついたこの身では
幸せを求めてはいけないの?
それを求めたその時から
誰かを傷つけなければいけないの?
重ねた手に在った確かな温もりは
世界の中心に座り込む腐った大人に奪われた
愛を求めたその幼い瞳に
差し伸べる手は与えられなかった
ほら狂った世界に映る花弁は
色を亡くして散っていくけれど
今も紅色に咲いて散る小さな命は
とても綺麗に見えるから
傷つき傷つけられて狂っていく世界に
祈っても届かぬことを知っていても
今を生きる一つ一つの花に美しさを見出して
君は小さなその手を重ね合わせた
神様僕は世界を救う力はいらないけれど
せめて繋いだその小さな手に
笑顔を与えられる力をくれないか
瞬きする間に消えていく命を
悲しめる優しさをくれないか
繋いだ小さな手が一つずつ重なって
いつの日か世界に幸せの輪が煌くように・・・