詩人:中村真生子
カーテンを開けて電気を消す。稲光がゴロゴロと鳴りながら夜空を白昼のごとく照らす。時折オロチのような光が空を駆ける。雷は遠く家に落ちる確率は皆無に近いがやっぱり怖い。なのに草木は動ぜずカエルははやし立てるように合唱を繰り返す。彼らはへそがないからだろうか。「ツィゴイネルワイゼン」を聴きながらへそを隠して眠りに就く。