詩人:どるとる
はじめての手紙です
うまく優しく書けるかな
恋文綴るように
絵を描くように
今 僕は君を思う
たくさんの星が降り注ぐ夜に
いつもいつでも言いたいことはね決まってるはずなのに
なぜかなぜだか言い出せないままここまで来てしまったよ
君が優しく 笑うだけでとても幸せなのに
なぜだか 心の中じゃその笑顔をひとり占めしたくて
僕のものだけにしたくて 少しいらだっているよ
つよがらないで
弱さ隠さないで
素直に好きと言えたなら苦しくないのにね
それはとても難しいことに見えてしまうんだよ
痛みと迷いと現実と夢とロマンにあふれた世界の中
踊るように
可憐に生きる君は素敵だね
どんどん手が届かなくなっていくような気がしてる
つよがらないで
弱さを隠さないで
素直になれたなら
僕は君と恋人になれるのかな
いつもハッピーエンドの隣には絶望的なバッドエンドが不気味に笑う
君が好きだよ
何度でも
心の中なら
言えるのに
なぜだか
君の前じゃ
無口になる僕さ
つよがってしまうのさ
本当は悲しくないわけないのに
元気なふりで笑ってみせても
つよがってしまうのは
僕の中の何がそうさせてるんだろう
本当は言いたくて仕方ないはずなのに
つよがらないではいられないもどかしさ
抱えながら
抱えながら
あと一歩が踏み出せなかった遠い日の初恋の残り火幽かに。