詩人:甘味亭 真朱麻呂
夢でみた
あの広く青い水の中
泳ぐ沢山の魚たち
ガラス越しから
みていたんのさ
でもそれは全て
固定された剥製
水は立体映像
スピーカー付き
僕は最初から
知ってたんだ
僕は最初から
嫌われてたんだ
孤独で剥製のような
自分にはこんな博物館が似合うよと
思っていたんだずっと
だから来た
夢にみた
あの日
あの夜
あの時間
僕は剥製博物館へ足をはこんだ
入場料はいらないさ
なにせ無人なのだから
でも誰も来ないさ
こんなつまらない夢の中の博物館にはね。