詩人:阿修羅
触れないように
研ぎ澄ました
記憶の欠片を
さも当然の事のように
撫でてみせた
萎えてしまった あの日
夕凪の中揺らぐ
貴方の瞳は
もうそれ以上
何も語ろうとはしないで
切れた指先からは
か細くも
とめどない血液と
貴方への愛の うた
遠い とおい背中
あんなにも近く
触れられたのに
笑顔も言葉も
声さえも
あんなに遠い
目を伏せてきた
いつかは忘れられるからと
僕は一体
何に囚われているの
貴方に
記憶に
心に
あたしに?
夢ばかり視たあの頃を
嘲笑った
弱いからだよって
記憶の中まだあなたがいる事を
認めたくなかった
なかったんだよ
どうしてぼくじゃだめなの