詩人:JAM
あたしがオーストラリアにいた時
お父さんが職を失ったことを聞いて
それが8月の中旬だった
今までの生活が一変してしまうんじゃないか
生活も苦しくなって
自分のことしか考えてなくなるけどあたしの一年留学もどうなってしまうのかって
そんな不安が電話を切った瞬間押し寄せてきて
夜中までずっとただ壁の一点を見つめて
ホストファミリーには言えなかった
日本に帰ってきて
平日なのに空港までお父さんが迎えに来てくれてた
でもあたしは失業したことを知らないことになってたからふれないでいた
お父さんはヒゲを生やしてた
前は綺麗に剃ってたのに
後からヒゲ伸ばして見たかっただけっていってた
日本に帰ってきた2日後ぐらい
詳しいことをお父さんから聞いた
覚悟はしていたし承知もしていたけど
泣くしかなかった
お父さんが1番辛かったんだってわかったから
お父さんは自分のポリシーも守りたかったんだって
ほとんどリストラに近かった
不当な理由だった
問題だったとすればただの価値観の違いだった
大人は汚いと思った
大人は大人じゃないと思った
でも生活はそこまで苦しくはならなかった
平均よりは下な生活だけど
自分のことは自分で払うようにして買ってほしいものもなくした
ただ一年留学はだめだと言われた
でもあたしはそれが高校の夢だから諦めきれない
毎日毎日お母さんは飽きれをこぼす
あたしに
それを聞く度あたしは前を向けなくなる
それを聞く度あたしは怖くなる
失業は大きい
お父さんはスーツを着なくなったし
お母さんはパートで働いてなんぼって出かけていく
お兄は顔を見なくなった
あたしは-
保険証も変わった
任意になった
家族の話もできなくなった
周りとの違いを見せつけられた気がした
お金が欲しいと切実に思うようになった
仕事持ってることがどんなに貴重か周りが羨ましくなった
やっぱり変わってしまった