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[111585] 見えない傷跡

詩人:甘味亭 真朱麻呂


心のずっと奥の方にできた傷跡
それは一生治らないふさがりもしない
記憶の中に刻み込まれてしまったから
忘れようとしても忘れられないのです

悲しみが深ければ深いほどに傷口は大きくなる
励ましや慰めでは気休めにしかならない
言葉をもらえばそりゃ嬉しいけど
傷跡が消えるわけじゃない
傷みは消えずに残ったまま僕を苦しめつづける

見えない傷跡が歳を増すほどに深く大きくなっていく
悲しみも喜びも等しいくらいにもらったはずなのに
どうしてなのか
心に刻まれた悲しみが喜びさえ後々の不安に変える

いつの間にか悲しみに暮れてる間に
朝は夜になり
夜は朝になり
ただ
過ぎていくだけの日々が流れてゆく

静かにただ静かに
楽しい夢は終わるさ
静かにただ静かに
安らかな夜は過ぎる

不安だらけの今日
やる気もなく続いていく
その人だけにしかわからない悲しみ
そして深い深い傷跡
未練がましいなんて言い過ぎだろう
僕なんかじゃ癒せずしかも見えないのだから
そんな言葉いえないはずだろ
愚かな人達も
笑ってる場合じゃないはずさ

さあ
今僕ができる精いっぱいで抱きしめてあげようね
それくらいしかできない僕をゆるしてほしいんだ

見えない傷跡を一時的に癒やす
宥めるような愛じゃ悲しすぎて…
けれど
僕はそれを承知で抱きしめる
つよくつよく大きな愛で包み込むように
ただ側にいたい
何もできないけど。

2007/10/05 (Fri)
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