詩人:絶対零度
リィサの夢
とてもとおい夢の話
僕は階段をのぼります
ある曇りの日
木造校舎の小学校
ふるぼけた図書館に
とても可愛らしい
女の子がいました
僕は肩を叩いて
こういいます
『夢をかなえなさい』
少女は嬉しそうに笑って
ちいさなノートを広げました
そこには素敵な絵が描きいてあります
少女はいいます
マンガ家になることが夢なの
僕は階段を上ります
少女に会いにいくためにのぼります
ある雨の日、
ふるぼけた図書館で
少女と待ち合わせ
ギシギシと鳴る階段を登り終えると
少女がいます
僕をみつけると
嬉しそうにかけよって
またノートを見せてくれます
新しく描かれたイラストとマンガ
嬉しそうに語ります
その表情に僕は恋をしました
晴れの日
少女は悩んでいます
僕は悩みを聞いています
将来が見えないと
泣いています、
僕は少しだけ抱き締めて
共に泣きました
次に会う約束をして夜にわかれましあ。
…僕は階段を上りろうとします
けれど僕に足がありません
そこで気が付くのです
僕は死んでいたのだと
ただひたすらに
絶望しました
ずっとずって階段の前で
泣いていると
少年が来ました
少年はいいます
全て忘れるけれど
足をつけてあげよう
君にその覚悟はあるか、と。
僕は一度だけ頷いて
階段をのぼります
雪の日
少女はいませんでした
けれどそこには
美しい大人のがいました
美しい人は
僕を見つけると
泣きだして
一冊の本を渡します
僕はの夢がかなったよ
本を広げると
そこには美しい
絵が踊ります
最後のベージに
リィサと書かれ
それが少女の名前でした
僕は何も覚えてなかったけれど
それだけは記憶に刻んだのです。