詩人:カィ
彼女が少し人と違うと感じたのは
珈琲に砂糖を3つ入れて苦いって言った時だ
二人の時はよく喋るのに三人以上で、大人しくなる
僕はよく笑う子だと思うのに、友人に聞くとそうでもないみたいだ
夜中に変な夢を見たと電話があったり
仕事中に今すぐ逢いたいとMailしてみたり
本気で、今は無理だと返すと『あたしも無理』、と言って笑っていた
彼女はいつも音楽を聴いていた
iPodを忘れるとあの歌のあの歌詞が思い出せないと、いつも頭を抱えていた
星がキレイと涙を流したり
朝日に染まる空がステキだと僕を起こしたりした
彼女は何故かいつも肩が痛いと言っていた
ベランダから、見える景色が変わってしまったと悲しんだり
洗濯機の音が好きだと言った
僕は
彼女のいる空気が好きだった
今すぐ逢いたい
例の病的なMailに僕は
『オレも』
とだけ返した
彼女は、会える会えないを聞いてるのではないと知っていたから