詩人:橙丸
遥かむかし
まだマーメイドが風の歌を歌っていたころ
遥かむかし
まだペガサスに翼があったころ
その限りなく澄みわたった青の中で海は
その限りなく澄みわたった青の中で空は
遥かむかし
まだ月が地上で半身浴していたころ
遥かむかし
まだ星の囁きが聴こえていたころ
その限りなく透き通った黒の中で海は
その限りなく透き通った黒の中で空は
遠い
遠い
遥か彼方に
忘れて去られた
置き去りにされた
風景
私を呼んだ
気の遠くなるような
太古の記憶
いつか
探しにいく
あの
マーメイドの歌声響く
エメラルドの海
2006/01/25 (Wed)