詩人:三歩
引出しの中
しまい込んだ
たくさんのテスト用紙
合計点数をはじきだしたなら
それが今の僕かな?
今頃になって
虫眼鏡で覗いた僕らは
あの頃いつも
右往左往の迷子だった
頭の中で
増え過ぎてしまった
難解な公式
まとめて
くずかごへ投げ入れる
バラバラバラ
そのあまりにも
ありきたりな音に
なぜだか僕は
どぎまぎとした
あれが
今の僕を凝縮した音なんだって
そんな気がして
急に切なくなったんだ
斜めに見上げた世界
額にかかった前髪
視界の端っこで
偶然拾った太陽が
しつこい緑の残像となって
僕の瞼に食い下がる
これから消えゆく細胞は
記憶の残像乗せたまま
まるで紙ヒコーキみたいに
あっちの窓から旅立った
ああ
晴れたり曇ったり
繰り返すのは
あの雲の仕業なんだって
今さらようやく気付いたよ
僕らの手には負えないもの
こんなにたくさん
あるってことも
水蒸気
雲へと変わるあの地点
僕から剥がれた
糸くずみたいなカケラたち
雲に変わることも
雨を生み出す力もないけれど
そのうちいつか
太陽の悪戯に肖って
あの虹の七色の
一部になれればそれでいい
そんな風に
願ってみた