詩人:かものはし
えぇ 私は折れた傘でございます。
そうです、もう役には立ちません。
捨てるのも面倒です。
ご迷惑おかけします。
イテテ そこは逆に曲げられると どうも ねぇ。
自分なりには一生懸命がんばったんですが・・・
今回は油断したというか、何というか、
風の奴がまさかあそこで逆風に変わるとは。
くやしくて こう 体がよじれそうですよ。
あ もうよじれてますね。 すいませんね。
でもね
これだけは言えるんですがね。
いや、言っておかなきゃいけないんですがね。
傘全体の名誉のためにもね。
ビニール傘の最後の意地ってやつですかね。
決して言い訳ではなくてですね。
「最後の言い訳」なんていう歌もありましたがね。
しらない?
あれは名曲ですよ。
そうそう 言い訳をさせてくださいね。
いや 言い訳じゃなかった。
言い分?
ま そんなところです。
いや やめときましょうかね。
雨が上がったようですぜ。
それじゃ