詩人:さみだれ
太陽が出ないようなら
花はなんと言って泣くでしょう
鳥は木から飛び立てず
うつむくようになるでしょう
大人たちは酒を食らって
子供たちは眠り続け
やがてすべての生命が
目覚めることなく夢を見るでしょう
月がどれだけ太陽を真似ても
星がどれだけ青空を真似ても
それは夜に違いないのです
そのうちひっそりと
誰かが目を覚まし
静謐なことを嘆くあまり
歌を歌うのでしょう
そのうちひっそりと
誰かが目を覚まし
聞こえてくる歌声に
涙を流すのでしょう
これは長い長い夜の話
空が白む頃には忘れ去られる話なのです