詩人:華亥羅区凶
感じる
素肌に感じる
冷たい固まり
背中に突き付けられた
鉄の固まり
『助けて…』
猿轡された口
『引金を…』
黒い布を被せられた頭
ハリー…
ハリー…
ハリー。
ハリー!ハリー!!ハリー!!!
『早く!
引金を!』
さぁ!…
突き付けるは君
素肌に
めり込む
銃口に
気付かず
考えてる
震えている手
引金に指はない
君は僕を
助ける方法を考えながら
助かる道は
一つだと
僕は確信していた
『僕を…殺して…』
『誰かに銃を奪われる前に…』
愛しい君だからこそ
僕は…
罰を下さいと
言えるのに
愛しい愛しい君だから
言えるんだ
だから
愛しい愛しい君にしか
こんな
苦しい思いさせない
ごめん…
ごめんなさい…
君を置いて逝くことを
許してください…
でも、もう
愛する人を失って
…君を失って
悲しみたくは
ないのです……
神話のような恋をして
悪役の様に死を願う
引金が消えたように
君
は
銃
を
放
り
投
げ
僕
を
抱
き
締
め
よ
う
と
…し…た……筈
なのに
君と僕は折り重なるように倒れ
血まみれで蜂の巣で…
ドロドロと流れ出る血が
君を視界から隠す…
最悪の状態で…
僕は微笑んだ…
これで
ズ
ッ
ト
イ
ッ
シ
ョ
ダ
ヨ
ネ
?
幸せなのは終りだけを
叶えてくれてありがとう神様…
悪魔の僕を罰してくれる天使を…待っています
愛してあげるよ…
血味泥に…