詩人:葉月
過ぎゆく人並みの中
ふと独り振り返る
揺れるふたつの影
微かに残った香水の足跡
貴方と同じ足跡
もうこの街に貴方は居ないと
馬鹿だよね 頭では判ってるのに
貴方の影 微かな香りに振り返っては
雨の中捨てられた仔犬の様に
貴方を
貴方だけを
追い求めてしまうの
突然にして貴方は消えた
未来を約束した指輪(キズナ)だけを置いて
貴方を最後に感じたあの夜から
独り目を閉じれば暗闇が
果てしなく続くの
その先に
貴方が居て
変わらず昔のまま
私に笑いかけるの
幸せだった
あの頃のまま
2004/02/06 (Fri)