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詩人:アル
秩序の構築と
維持のために
一滴の汗も
流した事がない者ほど
自由気儘に不自由を託ち
支払い能力もないのに
身の丈以上を欲しがる
完全なる自由の異名を
子供の我が儘と呼ぶ
足りることを知れば
縛られることはないのに
満ちても日々に欠けてく
見かけの大きさに
一喜一憂して
騙される振りしてるうちに
本当は月が
球体であることを
忘れてはいないか
創造も破壊も
車窓に飛び去る風景と同じ
新旧を交互に
繰り返しながら
夢幻の線路で森羅万象
全てが宇宙に消え果てる
だから天国も地獄も
ふたつを跨いだ
ぼくらの足下にしかない
どちらに軸足を移すのか
決めるのは
自分以外に誰がいるだろう