詩人:空白
死の響きに
敏感な僕たちは
平気で
生きるために
スーパーまで
死を買いに行く
僕たちの
毎日のために
死体は
綺麗に並べられ
血生臭さを
感じさせず
パッケージの下の
死に化粧で
媚びてみせる
設定された
命の値段に
ありがとうを
無視して
高い、安いと
財布の中身と
にらめっこ
僕らは
君らを
2度3度と
殺すんだ
自分の罪悪感を
誤魔化すために
君らの死体を
切り刻み
煮込んで
茹でて
それが命だったことから
目を逸らして
どこかで
今日も
誰かが誰かを
殺したと
部屋を振るわし
お腹の音と
共鳴する
何が命か
考えた
何が違うか
考えた
答えが出る前に
僕の胃は
満足と
ゲップした