詩人:中村真生子
祖先の記憶が刻まれた火山灰の大地が広がる鹿児島県上野原遺跡。土というタイムカプセルに乗って1万年の時をさかのぼる。沈黙の大地が祖先たちの営みを饒舌に物語り始める。ここで確かに生きていたのだと。ここでこう暮らしていたのだと。土器や住居の跡を言葉に替えて・・・。ねむの木が咲きアキアカネが飛ぶ草原に1万年の昔を生きた人々の賑やかな暮らしがよみがえる。