詩人:遥 カズナ
理由のないおまえよ
宇宙の微かな水の流れに跳ね上がり
銀河の渦のような可能性に巻き込まれ
やっとひらいた瞳に空を映し、瞬かせた
伝えていく事と
忘れる事をひたすらに繰り返し
生きる事を追い求め
涙に自ら潤されて
心が生まれた
命よ、おまえは
終わりのない旅を幾世代
幾年月をあゆむのか
命よ、おまえは
命である事を喜んでいるか
おまえを照らそう
その心に刺さるように
東の地の果てから
天空をたどり
西の地の果てまでも
どこまでも
おまえを照らそう
生と死が隣り合わせだとしたなら
誰がおまえを選ばないだろう
機敏な緊張が
稲穂の茎にしがみついたカマキリにしぐさを与え
黄緑色の爽やかさが駆けめぐる
その丸い二つの目に
憧れている
白昼のもとへさらけだされたまま
果てしのない問いかけを胸に、追え
命よ、おまえは自由か
kikaku2012「太陽」