詩人:どるとる
それは偶然に始まり
偶然に終わる
つかの間の安らぎと
つかの間の幸せを想わせる不可思議なまぶたの裏の夜明け
時間は冷酷に
今日も秒を刻み
分を切り刻み
僕の中の時間を少しずつ奪い取る
僕の時間は僕だけの時間だ
誰のものでもない
だが僕の親の時間でもある
だから僕の時間は僕だけの時間ではない
だからわがままはほどほどに生きる
そして今日も朝が来れば鞄を肩に下げ
僕は出かけるべき場所に出かける
そして日が暮れれば
家へ帰る
そんな繰り返し
そしてまた朝が来れば
僕は時間どおりに過ごすだろう
時計の上を時計の針と同じ速さで進むだろう
どんなに急いでも僕の時間は世界の時間に支配された
僕の時間という
それぞれに割り振られたタイムリミットを指し示す爆弾を抱えながら
ひたすらその目覚ましの鳴き声を恐れ
今日も生きる
そんな僕の時間はまさしく有限のひと時。