詩人:快感じゃがー
恋に溺れたふりして、
泣いてみたの。
だって、
これが運命なら
あなたは辿って
ちゃあんと、ここへ
駆けつけてきて
くれるはずでしょ?
その日は
人生のなかで一番の
とてもとても
長い夜だったけれど
終わらない歌は
いくらでも、あるから
「あたしは、だいじょうぶ。」
霞んでく夢に
バイバイをして
振り返ったら
これからが、ひどく頼りない
心許ない
ぜんぜん、足りない
「突風が何もかも
吹き飛ばしちゃえば、いいのに!」
カーテンを閉めて
ひとり、眠りにつくとき
あなたの顔が、もう
思い出せなくなってて
あぁ。本当にさよならねって
そのとき、やっと
すべてを
見つけた気がした
ねぇ、恋人ごっこも
愉しかったよ
でも。
本当は、遊びの
つもりじゃなかった
あなたのそばも
悪くはなかったよ
でも...
本当はぜんぶ、ぜんぶ
ただの強がり。
その月は
揺らめく、涙の水面で
ひっそりと泣くから
誰も気づかない
きっと、気づかない
いつもと同じ月
だけど。
とてもとても
悲しい月
いつもとは違う月