詩人:トケルネコ
木の葉の汚らしさ
俯いた者から死が訪れる
誰も飛び降りるコトバを待っている
一億から削られてゆく人々
影は死ねばいいと言った
あの子は死なないでと呟いた
俺は黙ってドアを溶接していた
そして人々の群れは真ん中から割れ
一人、また一人と中央を笑いながら走り・・落ちていった
歌は途切れた 誰の手にも人差し指しかなかった
キザシを吸うもの それを人々はドラゴンと呼んだ
少女は手首から砕かれてしまった
友は頭から呑まれてしまった
母は、自らを風呂場で焼いていた
俺は笑いながら地球儀を落とした
真ん中から割れたそこから、黒い吐息が溢れだした
浄化の炎は誰からも歓迎されていた
あの子は真っ先に飛び込んだ
俺も走りだした 風がまた晴れやかに歌いだした
その手にはナイフすら握られていなかった