詩人:夢中人
この空は何時までも偽りを示さない
踏み慣れた大地
見飽きた景色
吸い過ぎた空気
関わった人々
何時に無く変わらないこの場所にため息を何度も漏らしたことか
けれど
いざ別れを迫られると何故か苦しいくらいに心が痛む
新地への期待に負けないくらいに依存の執着が僕の手を引いている
決して繋ぎ留める言葉一つも掛けてくれないくせに
そうやって心を痛ませるんだよね
四季折々に見せる色彩が新地には無いのは解っているよ
澄み切った静寂たる夜は夢でしか見れないことも解っている
けれど…
ね…
時が流れる限り
世の成り行きには逆らうことはできないから
顔を出すことを約束するからもう僕の心を病ませないでくれよ
時は金なり
この言葉が無意識にも現実を支配しているからさ
僕の心が冷めてしまっても何時か堕ちた場所は違うけど帰る場所を空けておいてくれ
変わらぬ偽りの無いこの空と共に時に縛られ生きていくけど…