詩人:遥 カズナ
なすべき事をなせたとき
嬉しい事は何もない
目はおよいで
褐色の頬の傷跡を夕闇にあらわにしながら
壊れては消える、海の波のリズムの呼吸がせいで
まだ、どうして良いかもわからない喉が唾をのむ
のざらしの獲物をたぐりよせるために
たずなを力いっぱい握りしめた、腫れ上がった手のひらが、じんじんと熱い
仲間と切り分けた
何一つ無駄するわけのいかない、担いだ糧を
重たいぶんが重たいだけ
十分以上の腰の痛みと
爪の垢と
食いしばる歯に
誰に関係もない
実感をこめて
男は家族を養っている
、
2013/03/16 (Sat)