詩人:望月 ゆき
憧れていたスーパーカーに乗って
夜空を飛ばしていたら
きみが部屋の窓から
片足を出していた
靴下も 脱げる寸前
窓に横付けして
手をひいてやったら
車にドスンと乗り込んだ
ああ 夜はメガネなんだ
なんて ちょっとドキリ
きみを乗せて飛ばしてあげる
星の映った海を横目に
どこまで 行こうか
いっそ 夜空のいちばん端っこまで
もう一歩で青空、ってとこまで
空の境界線を探しに出かけよう
スーパーカーで夜空を飛ばそう
ついでにさ
ぼくたちの境界線も探してみないか
ただし
見つけても
境界線は 越えてはだめ
境界線は 越えてはだめ