詩人:どるとる
なんとなく 過ごした1日がほら
なんとなく 終わるよ
いつもの具合に形だけのあいさつを交わしたあとで
同じ間違いを繰り返してしまったのは
僕のせいじゃない
世の中のせいでもない
なんのせいにもしたくない
過ぎ去ったことはいちいち振り返らない
反省も無用
どうせ いつか人なんて死んじまう生き物ならば
後悔なんてしたって
仕方あるまい
夜空に浮かぶ
月に見惚れれば
悲しかったことなんてすぐに泡となり消える
涙も要らない
必要なのは
美しいものを見て
それにときめいたりする美しい心だけ
余計なことを言わなければ
余計なことをやらなければ
たいていの仕事はあっという間に片付くんだから
そんなに完成度のある人生なんて要らない
明日があって
そこにやるべきことと誰かの変わらないぬくもりがあれば
どんなに苦しくたって乗り越えられる
自販機の明かりのようにかすかな光を放つ未来に希望を持っても仕方ないと思うけどそこは持ってしまうのが人だ
だから無謀に願いを捧げようと叶わないとわかってるから
絶望もちょこっとさ
ほらね 帰り道
切なさにもだえて
階段をのぼる足がおぼつかない
幸せのなんたるかを見失ってるこの頃
えらそうな大人たちのふんぞり返る社会という闇世界に一歩足を踏み入れたときから ある不安は慣れてしまえばなんてことはないけど
ただひとつ
慣れないことは
遠い昔からの
変わらない
さみしさだよ
夜空に浮かぶ
月に見惚れれば
悲しかったことなんてすぐに泡となり消える
涙も要らない
必要なのは
美しいものを見て
それにときめいたりする美しい心だけ
でも まぶたの裏に浮かぶ情景は目を閉じても布団かぶってみても消えないな
水面に浮かぶ
月に見惚れれば
自分の影さえなんだかいとおしく見えるんだ
愛想は要らない
今の僕に必要なのはただひとつ
心のつよささ。