詩人:どるとる
我々は地球人だ
どこからどう見ても
なんの変哲もない
一般市民であることに疑いの余地はない
悲しいことに僕らは有名じゃないから
みんながみんな知ってるわけじゃない
だから道行く人に名前を聞いてみても
こたえられるわけはなく
いつか死んだら
この人ごみの中に埋もれるように消える
あと何十年もすれば
記憶は少しずつ遠のいて 僕も誰かを忘れ去るように
僕も誰かの記憶の中で消えてしまうかな
我々は地球人だ
そして悲しみ背負う
ずぶ濡れの雨中人だ
振り返るとそこにはいつも過去が笑う
ただバカみたいに前にしか進めない時の足取りにさんざん振り回されてやがて楽になれるから幸せなんて そんなわけはないんだよ
悲しいばかりだ
素知らぬ顔をして
去り行く時間
夕日の逃げ足の速さに何も言えない
ほら雨はまた降り出すだろう
誰かを濡らすそのためだけに
幸せなんてつかの間に見えなくなる
避けることのできない絶望に塗りたくられた部屋で明け方まで泣くのさ
窓の外を眺めながら
言葉踊らせて
ランナウェイ
夜が灯るまで
少し間がある
でもそれも時間の問題だ
そしてわかってない誰かの指摘に声を荒らげて僕は叫ぶ
それは雨じゃない
涙っていうものさ
おまえにこの思いは是が非でもわかるわけはないのだ。