詩人:Ray
たとえば
この世の男全員を
花とするなら
僕は今
その花束の中の
一つの花で
特別 華麗でもなく
価値があるわけでもなく
色彩こそ
鮮やかではないかもしれないけど
花束の中
埋もれてしまっていても
一輪の花として
存在感のある
花になりたいと願う。
欲張りな女たちが
選ぶ花は
きっと
華麗で価値があり
鮮やかな花であるだろうけど
野原にポツンと咲いた
一輪の花が
なにげない花でも
そこにあるだけ、
存在感があればいい。
少しでも
画になればいい。
花束の中でこそ
目立ちはしないけれど
一輪になったとき
野原にやってきた
君が
ふと目をやるような
そして
その花に触れ
思わず笑みを
こぼしてしまうような
そんな花に
なれたらいいと思う。
華麗でなくても
価値が低くても
鮮やかでなくてもいい。
君の瞳に
映ることができるなら
それでいい。