詩人:まとりょ〜鹿
ゆらり ゆらり
普遍的な日常でしたが
ぐらり ぐらり
めまぐるしい程に
ゆるり ゆるり
モーターのように廻り続けて
よろり よろり
身体ごと意識を預けた場所は
ふわり ふわり
醜い位に五体満足
この身体を形成させた
恨むべき この女。
無駄な生など此の世に無い。
今日女は私を此の箱に棄てる。
なら、いっそのこと
形成されるべき存在ではないと
発し方も解らぬ切り声を張り上げ
女に主張すれど、
女は
棄てられたのはこの私だと
声遮り 耳塞ぎ
偽善的な涙を頬に貼り付け 悲観に浸る。
この箱はチャンスだと
この箱は私の為にと
この箱はスタートだと
ゆらり ゆらり…
風に打たれ揺れる箱。
そこには
十月十日の揺りかごと
同じ揺れ方。
違う温もり。
女は私にとって全てだった。
女は私にとって神であった。
やっとの思いに焦がれて顔を合わせて数日…
神は
地に降り立った私に
とても とても
残酷な審判を下した。