詩人:奏
皮を切り 血が流れ 肉をえぐり 血が噴き出し それを見て 恍惚とする 死に近付き 生を実感する
僕はそれを良しとしない
刃物を持つ前に
何故君は僕を呼んでくれなかった
皮を切る前に
何故我慢を止めなかった
血が流れる前に
何故愚痴を流してくれなかった
肉をえぐる前に
何故
血が噴き出す前に
理由は分かってる
でも納得出来ない
分かれない
自殺願望なんて
分かる訳にはいかない
生は辛いもので
死は重いもの
生は辛くも楽しい
死はただ無明
死はいつでも出来るが
今生は一度きり
辛いなら
僕が重荷を一緒に背負うから
深く 深く 赤く 黒く
それを見るのを
願うぐらいなら
僕を 呼んで