詩人:どるとる
人を愛すことの難しさを僕はまだ知らない
だって今まで人を愛したことなんて一度も無いから
僕は誰かをたとえばこれからもしも愛すとしても
多分それはずっと先のことだから考えることさえ今は面倒だ
愛されて愛して
何が楽しいのかな
そう思う気持ちは
人を愛したことがないからこそいえる言葉なのかもしれないけど人を愛したことがない僕にはあたりまえともいえる言葉さ
愛されて愛して
死ぬほど誰かに恋をして
何も言えなくなる
僕はもう大人だ
人を愛することの喜びを知ってしまっている
誰かを愛して
誰かに愛されたい
せめて誰かを心の底から抱きしめたい
さみしくて
悲しくて仕方ないよ
それは歳を重ねるにつれてどんどんわかってくるんだ
だから めぐり逢いたい
こんな僕にもあたりまえに愛をくれる誰かを
愛を知る権利が
誰にも違えなく
あるのなら
愛の難しさってのも
知りたいな
雨にも降られてみたい
人に愛されて人を愛してゆくことの素晴らしさを人は形にする
それは小さな笑顔だったり
プレゼントだったり
日曜日のドライブだったりするんだね
僕もそんな愛を知りたい
何もない僕だけど
きっと愛されるより
憎まれることのほうが多いけど
愛するということが誰にもゆるされた権利ならそれを掲げて誰かを愛し
そして誰かに愛されたい
そう思うのはなぜかなあ
不思議な風がどこからか吹いてきた
二十歳を過ぎたころから
すこし遅咲きの初恋の甘酸っぱさを知ったころから。