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[147781] ごめんね亀さん

詩人:どるとる


亀のように
ゆっくり
ゆっくり
のんびり
生きれたら
僕は毎日
楽なのに

亀もたまには
涙しちゃうのかな
見たときはないけど
亀も涙流すかな

僕はただ
水槽の中で
亀を見つめてる
ただ一日中
のんびり
してるだけの亀を
動いてるのか
動いてないのか
そのくらいの
速さで生きる亀を

亀のように
ゆっくり
のんびり
ゆっくり
のんびり
生きれたら
誰も毎日
幸せなのに

なぜか
僕ら人間だ
やたら
僕ら急がされる

人生
一度きりなのに
亀さんみたいに
人生を
ゆっくり
のんびり
ゆっくり
のんびり
味わわせてくれやしない

ただ亀は今日も
水槽の中
僕の帰りを待ってるのか待ってないのか
一日中そのままの姿でいたような変化のない場所で息を引き取ってた

亀は目をつぶり
僕の両手の中で
冷たく
冷たくなってた

涙流れた 夕暮れ
タイミングよく
流れる五時のチャイム

ゆるしておくれ
亀よ 亀さんよ
僕はただ君が憎かっただけ
楽そうな君が憎かっただけ

でも気づいたよ
僕はバカなことをしたね
僕はバカなことをしたね

亀は何も言わず
僕の手の中
ちょっとも動かない
亀の時間は止まった
亀の時間は止まった

ありふれたいつもの夕暮れになるはずの日暮れに僕が亀を死なせてしまった

幼い記憶
今もムネを焦がす。

2009/09/23 (Wed)
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