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[112928] 僕と君が居た場所でT

詩人:甘味亭 真朱麻呂


僕は何処にも居ない
何処を探しても居ない
この世界の何処にも
僕が居るべき場所など
もう消え去った後で
ないのも同じだから
生きる目的を失ったとき
僕が生きる意味も消えた
光を見失った今
君の居ない世界で生きていくことなど
死ぬことよりもとてもとても怖いから
不安でたまらないから

終わりにしよう何もかもすべて…すべて…すべて
消えてしまったものはもう二度とかえらない
失った光を今一度つかむことできない
永遠へ落ちていった過去のように
閉ざされた心のドアは
もう開くことはない
君がこの世界を去ってしまった瞬間
僕の生きる理由は今となっては何もない

この胸の傷みは無くしたものの痛みなんだ
君の傷み僕の傷み同じなはずもなく共有できる隙間も時間もつくれはしない
そして世界は暗黒に包まれて
僕に終わりがそっと迎えにくる
僕と君が居た場所で
今は君は居ずに僕だけがここで生きてる
この傷みは僕だけのものじゃない
この傷みは君の傷みでもあるんだ
悲劇役者の仮面を脱ぎ捨てて
自分だけが悲しいと思わないで

この世界には僕が思うよりもずっと悲しくて重々しいなにかがある
街にあふれる人々は誰もがそれぞれの悩みや迷いを抱え苦しんでる


それぞれの居場所を探し
いつも
居心地の良さを求めてる

僕が思いこんでるよりもずっとずっと
想像でしかない内側からだけの景色
ここからじゃ見えない名前も知らない
誰かが何を思い何を悩んでるかなんて
誰にもわからない
細かな感情なんて読めない
人は人の思いをただ表面的に感じるくらいだ

2007/10/21 (Sun)
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