詩人:放射能
雪がふきあれて
森が
ザワザワさわいで
手がしびれて
赤くなって
できないのに
あたたまろうとした
今頃
心をうごかされ…
あの娘のまわりには
とてもいい風がふく
知ってるだろう?
放課後だった
廊下を
歩きまわった
明かりは落とされて
まだそれほど
暗くなかった
3階から
外をながめた
野球部が
練習していた
何もしなかった
何もしたくなかった
ただながめていた
死ぬ素振りなんか
見せなかったよ
ああ
明日が楽しみだ
誰が思うだろう
こんなところで
こんなやりかた
小学生の時
だったかな
貝割りをしたっけ
楽しかったなぁ
今では
信じられない
そんな時だった
いきなりだった
まるで
忘れていたのに
思いだした
あの娘のことを
ぼくは言った
あの娘が
ぼくの胸の中に
住んでいる限り
自殺はできない
誰も
その意味が
わからなくていい
だから
ぼくは笑った
最高の笑顔で