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[171288] トオイ、ボクラノ

詩人:ぺこベット

透き通った水の中で溺れている気分だ。
空は見えているのに、どっちが上だかもわからずに、ただただもがいている。

(君は、)

僕が溺れているのを、知ってるだろうか。
もがいている僕を見て、君は何を思うのだろうか。
いつからか離れていった距離と気持ちが、僕の胸の中をまだ交差している。
引き寄せた君の腕の細さや香りを、僕はまだ覚えている、のに。
この距離がもう二度と、縮まることはない。

そんなこともう、分かっているのに。

(気づいていた、)

君の気持ちが、僕から離れていってることに。
気づいていながら、気づいていない、フリをしていた。
君から別れを告げられるのが怖くて、ずっとずっと逃げていた。
そんなものではもう、君を繋ぎ止めておくことなどできないと分かっていたのだけれど、少しでも君の側に、いたかった。

(遠い、遠い……、遠い、ナァ)

想い出だけが渦を巻いて、いい加減前に進みたい足をひき止めるから、僕はこうしていつまでもここから離れられないでいる。

(とおい、とおい)
(あの頃のぼくら)

(とおい)
(ぼくらの距離)

2011/09/25 (Sun)
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