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[98473] 巡る先々を眺めて 二人

詩人:遼旅

気づくべき見送りは赤城を凌ぐ
気づかない見送りは奴原を凌ぐ
書き取らずの読み取りに静寂を
聞き取りには静寂を得てやまない
ああ 口は息を吸ってやまない
溜め息には静寂を保つ作用
めくりめくる片手を
ふと懐へと代わりたい
文面に溜まる文面を書き取る
惜しみに呼ばれて軋みに揉まれて
凌ぎ終えた壕ではもめごとを
一人、一人に対するもめごとを
何者に対するほめごとを(偽善を許せ)

旅立つに連れて奪ったようだ
夢遊での咎めようだ
幾つもの健やか精神
返せという矜持 帰れないという矜持
御言葉に一度たりとも詰まっていただろうか
夢遊本来の汚れた血清は
何度詩を読んでのことだろうか
弟子は弟子であるままに
(認めたからには)
だとすれば偽善こそ貴方は滅ぼす
信じてみようか 忘れられた日々の巡る後々を
返す面目 帰れない面目 偽善こそ
御言葉には
救う力が詰まっていただろうと

ダセイ旅人 ダセイの旅人
今と忙がふさわしいだろうよ
自然の涙が伝うという旅人には
まだ知ることに欠ける
幾つの精神を傷つけて
信じてみよう 御言葉の裏までも
大切な人があっての今とは
人、一人に対する静寂を煽ぐ
その涙に静寂を解き放つ

2007/03/18 (Sun)
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