詩人:たかし ふゆ
抵抗する暇もなく
目が覚めてしまった
飛び込んでくるナロンエースの空箱と、光
始まりの光景は、いつも静寂に満ちている
時として、隣で寝息を覚える
眠り続ける恋人と、精神的な独りという反比例
起きている者が生者なので
彼女は、目覚めるまでは死者のまま
そのときは
たまに手を繋いで、何とか落ちようとする
夢の中までは共有出来ないと知っても、なお
鳥の声が徐々に鮮やかになる
広場のトーテムポールにかかる朝陽
世界が目覚める
僕らは、刻々と時を刻む
知りすぎ、味わいすぎてしまった人の死と
生きている感覚の狭間で
絶えず揺れながら訪れる、日々