詩人:はるか
夢の続きにまどろんでいた。
月はやがて夜の闇が薄れると共にその輝きを失い吸い込まれていく。
明けぬ夜は無いか。
全ては初めから分かっていた。出口の見えない迷路の中で出逢った僕達に共に辿り着く場所など無いという事。
皴の寄ったシーツを掌でなぞる。君が居た証。
ほんの微かな、微かだが僕がバラバラに崩れるには充分なほどの、奥底に覚える痛み。
…あぁ、君は居たんだ。
不意に切なさが込み上げる。
何も残さないとは
二人のルール
今となっては悲しい
決め事。
…あのドアを開ける決意を長い黒髪と共に固く結んだ君。
僕には持てるだろうか。その勇気を…
勇気を…。